今日は「重装警察」という香港映画を見に行く。香港映画久し振り嬉しい!というか映画自体とても久し振り。筋は細かくは書かないが、なかなかいい映画だった。

重装警察というだけあって、銃撃戦のシーンはみんな重装備。香港のマフィア映画の銃撃戦のシーンでは、だいたいはピストルで撃ち合っているが、この映画は重火器がメインだ。(パンフレットに載っていた武器の名前はコルトM4A1、レミントンM870などなど。わかる人にはわかる?) 車や壁に打ち込まれる弾痕も大きさが全然違う。機能性の非常に高そうな戦闘服を着込み、時にはガスマスク、時には赤外線カメラアイがついたマスク、そして分厚い最新型の防弾チョッキをつけている。いやーー重装備。

そして、主題は男の熱き友情だ。本当に熱いです。こんなの日本では失われてしまったよ、っていうくらい熱い。そこまで普通やる??と突っ込みたくなるくらい熱いのだが、かといって真っ赤なフィクションだという虚構性が強すぎるでもなく、見る人に自然に訴えかける。「熱き友情でここまでやる?」と突っ込んだら「あなたの心はそう思う時点でもう汚れています。」と言われているのではないかというくらい。

娯楽映画として質の高い作品だ。そして、私は香港映画が好きだ。どんなくだらないと言われる娯楽映画でも香港映画は好きだ。ところがハリウッドの娯楽映画はそんなに好きではない。(だからどんなに話題になっていてもそれほど見に行かない。)

なぜだろうと考えるが、こうすれば観客に受けるだろうというあざとさがどうしても見えてしまうからだろう。マーケティング調査の結果こういうストーリーでこういう設定ならヒット間違いなしとか。あとは、広告のにおいがするのも困る。こっちはお金払って映画見に行ってるんだから、広告は見せられたくない。「マトリックス」なんて実は大好きな映画だが、主人公のキアヌ・リーブスが見知らぬ相手からメッセージを受け取るシーンでは、宅急便の袋がFedex、中から携帯電話を取り出すとNokiaという文字がこれ見よがしに写されているのはちょっと冷めてしまう。そして、制作者の意図通り映画を見終わった頃には「ああ、Nokiaの携帯電話ってなんだかかっこいい。」とか思ってしまっている自分がいたりして、なおさらイヤになる。ああいうところさえなければ、「マトリックス」は本当に素晴らしい映画なのになあ(アクションに関しては本当に芸術的!)。

それに対して香港映画では、興行的にヒットさせたいと思ったとしても、その根底には例えばこの映画をとって言えば、「男の熱い友情は素晴らしいんだ、絶対にそれを表現したいんだ!」という熱い思いがあると思う。

「少林サッカー」にしても「少林寺」と「サッカー」はそれぞれ面白いんだから組み合わせたらすごく面白いに決まっている!という熱い思い一筋で作っていると思う。コメディ映画にしても「こんなくだらないジョーク!」っていうのを本当に真剣にやっている。そういうところが好きだなあ。