人間は大昔、文字を持たなかった。だから情報を伝えるのに口伝えをするしかなかった。人間はいつのまにか文字を持ち、書きつけるのは昔は羊の皮(エジプトの羊皮紙)やら竹を薄くそいだものやら(中国や日本などの木簡)、その他石や岩に彫り込むなどしてきた。そのうち紙が発明されて、そのうち印刷技術が発明されて、同じ情報をコピーするのに手書きをする必要がなくなった。そして、今ではコンピュータが発明されて、おびただしい量の情報を電子データとして保存することができる。そこで、情報を保存するにはどんな方法が一番耐久性があるのだろうか、ということを考えてみた。

紙や竹は燃えたらおしまい。燃えなくても長期間経てば劣化します。岩とか石に書くのも、それが破壊されたら終わり。そして、電子データはどうか。これは、もちろん燃えたら終わり、そして、長期間経ったら(何万年とか!)劣化。そして、何よりも電気がなくなったら、保存したたとえ1秒後でもデータは解読不可能になります。そう考えると、文字を持たない部族が口伝えで情報を保存して来って言うのが一番耐久性の高い方法なのかなーー。なんて思ったりします。意外なことだけど。まあ、これだと人間が滅びない限りは情報が伝わる。人間に伝える情報なら、人間がいなくなったら伝える必要ないとすれば、この方法がベストでしょう。(宇宙人に伝えたいなら別だねえ。)

アボリジニはドリーミングという口伝えの伝統を持っています。伝わっている話の中には”前の氷河期が終わって洪水に見まわれた話”まであるそうなので、かなり長い間保存されていたんですね。まあ、とはいえ、人が覚えられる量なんて高が知れているので、保存できる情報自体は微々たる物になってしまいますけどね。。。なーんて事を考えてみました。


【参考】 http://eco.goo.ne.jp/australia/files/aborigine/2.html
上記URLより引用:
アボリジニの人々の生活、宗教、掟、歴史などは「ドリーミング」と呼ばれる話の中に凝縮されています。ドリーミングの中には食べ物を分け与えることがどれほど大事であるのかを諭すもの、彼等の祖先や自然信仰の話、どのような時にどのような場所へ移動すればよいか、結婚してよい部族…などが盛り込まれており、彼等の生活の指針となっています。文字を持たないアボリジニは、これらの話を全て口頭で世代から世代へと受け継いできました。驚くことに、前の氷河期が終わって洪水に見まわれた話まであり、おそらく何千年間も伝授されて来たのだと思われます。