そもそもなぜフエにいくことにしたのかというとパリに住んでいるベトナム人の友達が久しぶりに里帰りするので、Hiroeも遊びに来てというのが始まりだったのです。で、その友達は6人兄弟で、そのうち5人が女です。で、子供は6人のうち3人がフランス、1人がハノイ、残りの二人がフエに住んでいるのですが、そのうちの5人が夏休みということで実家にその兄弟およびその配偶者&子供が勢ぞろいしたのです。いやーー、壮観壮観。お食事をするときの食卓の人数は最低15人だそうでした。それで、その時々で誰かが入れ替わり立ち代りいたりいなかったり。そして、その家に出入りしてはただ飯をいただいていた私でした(笑)。だって、私が1人くらい紛れ込んでも大して変わらないんですもの。なんというか、家に知らない人がたくさんいるんですけど(いえ、知らないのは私だけなのかもしれないけど)、なんていうかこういうのが昔ながらの大家族なのかなーなどと思ったりしました。

で、面白いのがこの5人姉妹の名前です。
ベトナム人の名前って中国とか韓国みたいに苗字が1音節、名前が2音節から成っています。名前の一音節目はミドルネームだと誰かが言ってたのですが、それはちょっと未確認。で、この5人の姉妹の名前を面白いので並べて書いてみます。ちゃんと音に意味があるんですよ。だから、ベトナム語は今はアルファベットになっているけど、大昔は漢字が当てられていたんだろうな、と思います。以下五人の名前はこうなっています。

長女:Tuyet Nhung トゥエット・ニュン
次女:Tuyet Bang トゥエット・バン
三女:Tuyet Ngoc トゥエット・ニョック ←これが私の友達
四女:Tuyet Nga トゥエット・ンガ(←NHKのアナウンサーが発音する「~が」の音)
五女:Tuyet Hang トゥエット・ハン

だそうです。日本で言えば、家康、家光、家定、みたいな感じでしょうか。
そして、Tuyetというのは雪って意味なんだそうです。ベトナムは雪なんか降らなそうなのに雪を娘たちの名前につけるところが憧れがあったのかなーなんて思ったりするのです。で、この5人のそれぞれの名前の意味は

長女:Tuyet Nhung →雪+ベルベット
次女:Tuyet Bang → 雪+氷
三女:Tuyet Ngoc → 雪+真珠
四女:Tuyet Nga → 雪+白鳥
五女:Tuyet Hang → 雪+月
だそうです。結構、暖かみ系よりクールな言葉が好きなご両親だったんでしょうか。それとも暑い土地柄だから涼しい名前を付けたいのだろうか(笑)。

それでですね!私はこの友達はいつもTuyetNgocって呼んでたのですが、みんなは違う呼び方するんですよ。ジジって言ってるんですよ。はあ?何ですか?それ?と思ったら、みんなそういうあだ名みたいなもので呼び合ってるんです。その対応表はこれ。

長女:Tuyet Nhung → Titi ティティ
次女:Tuyet Bang → Kiki キキ
三女:Tuyet Ngoc → Gigi ジジ
四女:Tuyet Nga → Bibi ビビ
五女:Tuyet Hang → Fifi フィフィ

そのほか、その家に出入りしているちびっ子の姪だとか甥だとかもTintin(ティンティン)とかShushu(シュウシュウ)とかって呼ばれているけど、実は本名がちゃんとあるんですよ。なんなんだ一体それは?って感じ。しかも、別にTuyetNgocがGigiとなる発音とか文法的な根拠は特にないらしいです。適当につけてるみたい。でも、普通の小学校とかで適当につけられるあだ名のように簡単に変更可能ということではなく、一応Gigiとなったら幼少時代からずっとGigiらしいです。うーん、なんか不思議。

それでですね、この5人姉妹のうち二人はフランス人と結婚しています。で、今回は当然そのフランス人たちも来ているし、5人姉妹のうち3人はフランス語話すし、その子供たちも当然話すので、家に出入りする人間の半分弱はフランス語圏。あとは、英語がわかる人がちょこっといて残りの比較的高齢者と子供はベトナム語のみ。ベトナム語しかわからない人とはもう笑ってごまかすしかないというか、子供にはもう私は開き直って日本語で話してましたが・・・。

で、フランス人も私の友達をジジと呼んでいる。確かにトゥエットニョックと言うよりは断然発音がしやすい。しかし、、最初はジジって呼んじゃっていいものかどうかちょっととまどいました。だって、ジジってフランス語ではziziだと「おちんちん」って意味なんですよ・・・(子供に使う言葉ね)。なんか私は勇気がなくて聞けなかったんだけど。でも、本人もフランス人からそう呼ばれても別にいいやーって感じだから、たぶんいいのかなあ、と。そうしたら、あるときやはりそういう話になってPipi(ピピ)って言う名前の子がいてその子はフランスでは「最悪!」って思ったらしい。というのはPipiはフランス語で「おしっこ」って意味なんですよ・・・。危険です。同じ音を重ねるのは。フランス語では結構俗語でそういう音の配列になってるのが結構あるから。

って、すみません。なぜだか最後は下ネタになってしまいました・・・。

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2004年02月03日(火) フエの友達
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