【公的年金TF】年金用語集 「ア」~「チ」

ここでは、私が年金の本を読んでいくうちに知らない単語に出くわしたのを、一つ一つ調べていったもののメモ書きです。ど素人が書いておりますので。間違いがありましたらご指摘ください。

【ツ】

・積立方式(つみたてほうしき)

将来のために保険料を積み立てておくのが積立方式。支払った保険料は、積立金として積み立てられ、利息とともに将来の年金給付に充当される。←→賦課方式(ふかほうしき)
[出典:年金大改革 西沢和彦著 P17]

【テ】

低位推計・中位推計・高位推計(ていいすいけい・ちゅういすいけい・こういすいけい)
人口推計で使われる言葉。
人口推計では、出生率に関し、最もあり得ると判断される中位推計と楽観的な高位推計、悲観的な低位推計が公表される。(年金大改革 西沢和彦著より)

#なーるほど。そういう意味だったのですか。私は低位がアバウト、中位が普通、高位が詳細な統計データなのかと勘違いしていました(どこからそう発想したのかはなぞです・・・)。


定額部分(ていがくぶぶん)
報酬比例部分と定額部分の項 参照


【ニ】

二階建て(にかいだて)

現行の公的年金制度は、おおざっぱに言うと「基礎年金」と「被用者年金」の二階建て構造になっています。「基礎年金」には日本に住所のある20歳以上60歳未満のすべての者が加入することになっています。
一方、二階部分にある「被用者年金」は、加入期間や所得など比例して支給される基礎年金の上乗せ部分に位置づけられている年金です。でも、被用者年金という1つ年金制度があるのではありません。
民間企業に勤務する人が加入する厚生年金、公務員や教職員などが加入する共済年金に分かれており、さらに共済年金は国家公務員、公立学校教職員・市町村職員、私立学校の教職員という具合に、それぞれが共済年金を作って別々の法律に基づいて運営されている
(出典:http://allabout.co.jp/finance/nenkin/closeup/CU20040414A/)


【ヒ】

標準報酬と総報酬(ひょうじゅんほうしゅう)(そうほうしゅう)
標準報酬は月収のこと。総報酬は賞与(ボーナス)のこと。
2003年までは厚生年金は主に月収にかけられていた。月収に17.35%、賞与に0.1%。これは標準報酬ベースと呼ばれた。それ以降は改正されて月収と賞与に同率の13.58%かけられる事になった。これを「総報酬ベース」と呼ぶ。
#標準報酬ベースより総報酬ベースの方が率が減っているが、結局払う額はそれほど変わらない。ボーナスが多い人には損な変更です。

・被用者年金(ひようしゃねんきん)


厚生年金や、共済年金などのこと。
いわゆる二階建ての部分。(「二階建て」参照)



【ネ】

・年金資金運用基金(ねんきんしきんうんようしきん)

以前は年金の積立金部分の財務省の財政融資資金特別会計で、運用されていました。2001年より厚労省による年金資金運用基金で運用されることになりました。徐々に資金の移動(=償還)が行われています。年金資金運用基金のお金は国内外の債券・株式で運用されることになりました。

【フ】

・賦課方式(ふかほうしき)

政府が国民から徴収した公的年金保険料を、そのままその年度の公的年金給付に充当する方法で、毎年度、徴収した保険料を使い切る方式。われわれの払った保険料は、どこかに積み立てられるのではなく、政府の特別会計をスルーして、そのまま誰かしらの年金給付に充てられる。←→積立方式(つみたてほうしき)
[出典:年金大改革 西沢和彦著 P17]

・不作為の罪(ふさくいのつみ)

本来は、適切な処置を行なうべき立場にある人や組織や団体が行わなかった時に生じる責任に対する罪のこと。

【ホ】

奉加帳方式 (ほうかちょうほうしき)


奉加帳とは寺院や橋を造営・修復する際に、願主の求めに応じて、寄進者名や財物を記した帳面であり、平安時代から使われている古い言葉。(出典はここ)「97年3月、経営危機に陥っていた日本債権信用銀行(現あおぞら銀行)の経営再建策として、大蔵省・日本銀行主導による奉加帳方式がとられた。日債銀の自己資本増強策総額3000億円のうち、都銀上位行などには総額700億円の出資、生命保険会社と損害保険会社は1500億円規模の劣後ローンの株式転換などが要請された。(年金大改革 西沢和彦著より)」

# http://www.kirihara.co.jp/scope/FEB99/tema.html
このページの説明によると、日債銀を救うためにみんなでお金を出してあげたんだけど、結局最後は日債銀の株価はゼロになって紙くずになってしまったというすごいお話です。それで、旧興銀の株主が怒って興銀に株主代表訴訟をしたのですが、興銀の方も大蔵省に言われたら断れなかった、と言っているとの事。すごい権力があるんだなあ。省庁とかって。払うのやだ!って拒んだら、たぶんそのあとは色々融通とかがしにくくされてしまうのでしょうね。

# で、話は少しそれましたが、要はこれを基礎年金拠出金でもやっているので問題なのだという話です。しかし、この方式って結局みんなから(年金の場合は、国民年金、厚生年金、共済年金)がーっとお金をかき集めて、それを目的(基礎年金部分の給付)のために分配なり使うなりするのですが、結局ドンブリ勘定じゃないけど、正当に配分されたり、どういう風にかき集められたっていう透明性に欠ける方式なのですね。


・報酬比例部分と定額部分(ほうしゅうひれいぶぶん)(ていがくぶぶん)
定額部分は現役時代の所得に関係なく加入期間に応じて給付される部分。報酬比例部分は、その名の通り現役時代の所得に応じて給付される部分。

・保険料固定方式(ほけんりょうこていほうしき)

年金財政が厳しくなるのに従って保険料がどんどん値上がりしていくのを防ぐため2022年まで段階的に引き上げられたあと20.0%で固定されるという方式。
下記のサイトより「厚労省は、ついに発想を根本から変えざるを得なくなりました。保険料率を将来は法律によって固定し、あとはその範囲内で給付をまかなう方針に転換したのです。
受給額は、少子化の状況などによって異なってくる。世代でいうと今の若い世代は、もうすぐ年金を受給し始める世代と比べると、範囲内でまかなうという部分が増えるため、この少子化の進み具合の影響を非常に大きく受けることになります。

参考リンク:
・(44)保険料固定方式〈1〉 2022年以降 料率20% 給付低下 焦点に
・(45)保険料固定方式〈2〉 給付水準 次第に低下

問題点としては、給付が減る負担が若い世代に多くいくこと。本当に財政がきついなら現在年金を受給している人やもうすぐ需給開始する人たちも痛みを分かち合わなければいけないような方法も検討しなければいけないのかもしれない。

年金大改革(西沢和彦著) P205より引用
「保険料固定方式は年金受給開始年齢に早く達する世代ほど影響が少なく、いわば先行逃げ切り型である。若い世代ほど少子化によって給付額が異なることに対する合理的な説明は難しい。確かに、給付乗率の引き下げなどの手段は、給付抑制策としての即効性の裏返しとしてドラスティックであり、政治的には避けたい手段かもしれない。に年金を受給中の人、あるいは近々もらい始める人に対して年金受給額のカットを宣告するのは、宣告した政策責任者の政治生命を脅かすかもしれない。・・」

この政策をやる人は絶対批判されるけど、誰かがやらないともっとやばいことになっちゃうってことですよね・・・。これは、小泉さんなのか、小泉さんの次の内閣なのか・・・。

【マ】

・マクロ経済スライド(まくろけいざいすらいど)

今回の年金改革で導入された制度。
「今回の年金改革で導入される。年金額を決める要素に、賃金や物価だけでなく、年金制度の支え手である現役世代の減少や、高齢化によって、年金を支給する期間が延びることを反映する。このため、もらい始めた年金についても、物価上昇が完全には反映されず、20年間にわたって平均で0.9ポイント差し引いて反 映される。物価が1%上がっても年金額は0.1%しか上がらない。」
出典:http://www.asahi.com/money/pension/magazine/040429_e.html

参考リンク:
「マクロ経済スライド」って?
☆★もっと知りたい!「マクロ経済スライド」★☆

#マクロ経済スライドが適用されない状態のときは物価スライドが適用されます。
計算の仕組みは複雑ですが、早い話、結果として給付額は実施前よりは少なくなります。そして、少子化が進めば進むほどマクロ経済スライドが適用される時期が長くなり給付額が少なくなる期間も増えます。

【ミ】

・みなし掛金立て(みなしかけきんだて/Notional Defined Contribution : NDC)

1990年代スウェーデンで始めて導入された制度。この基本的な考えを取り入れた年金改革を1996年イタリアが行い、ポーランド、チェコ、ラトビア、中央アジアのキルギスなどが相次いで取り入れた。世界銀行も1999年以降この新しいスウェーデン方式を推奨し始めている。

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