AからDまでの4段階

それで、最近、精神の成長過程についてこんな図を教えてもらいました。
なかなか面白かったので、ここに載せます。

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説明としては
0~3歳 Aゾーン
3~5歳 Bゾーン
5歳から結婚するまで Cゾーン
結婚以降 Dゾーン
に分けられるらしい。

5歳の次はいきなり結婚かよ、っていう気もするのですが、そのくらい自分の考え方、感じ方の無意識レベルのところは5歳までにかなりのところが決まってしまうと言うことでしょう。で、私の場合は結婚していないので現時点ではCの所にいることになります。
また、結婚というのはどういう意味かと言うと、そこでまた新しい家庭を作り子供などが生まれたりパートナーと色々なことが起こるということがまた成長段階の一段階ととらえているんだな、と思いました。結婚と言うのはそれだけ、自分の人格に変化がある行為だと言うことなんでしょう。
で、精神的なトラブルを抱える人はCの時点で発覚したり、Dの時点で発覚したりと色々です。

それで、Aというのはその子が生まれ持っている性質です。そこに0~3歳で父、母の影響を受けてBになります。Bになった時にAの部分がどのくらい残っているかというのがA'の部分です。3~5歳で幼稚園に行き始め友達や先生と関わることによりCになりますが、その場合Aはさらに減ってA''ということになります。
このAがどのくらい失われてしまったかによって、成長してから精神的トラブルを抱えたりっていうのが起こるのですね。

Aがなるべく失われない育て方をすると、いわゆる「のびのび育った子」って感じになるのかな、と思います。Aがすごく減るような育て方と言うのは抑圧的だったり強圧的な育て方ってことなのかな、と思います。そして、精神的トラブルを抱えるって言うのは失われてしまったAのままでCでいたりDでいたりするのがすごく辛いよ!っていうことで起こることなんだそうです。Aが保たれている状態は自己存在の安定やあるがままという姿です。望ましい状態(育て方?)というのはこのAが残っている状態だそうです。だから私は思うけど幼稚園とか小学校のお受験ってこの考え方で行くとすごく危険かなあって気がしちゃいます。あ、やるんだったらコネでなんの勉強もせずに入れるのが一番いいですね(笑)。

0~3歳は否応もなく親の影響なのですが、片親の場合はお母さんだけ、お父さんだけ、両親がいなかったらその時育ててくれた人の影響を受けるんでしょう。それから、お母さんのおなかの中にいる時にお母さんの精神的な波動とか感情の波動とかをもろに受けるそうです。だからどんなに親がいない子供でもお母さんのお腹にいずにこの世に生まれるというのは不可能なので、やはりお母さんの影響は強いんですね。だから、胎教とかはもちろんのことタバコを吸うなんて(物理的にもそうですが)大変なことなんでしょうね。

AからB、またCに推移する時に失っていったAの部分があります。メンタルのトラブルを抱える人はこれを失ってバランスを崩している(というかメンタルのトラブルのある人は基本的にそうなのでしょう。)ので、治療と言うとここを回復する作業をしていると言うことなんですね。

たくさんの箱とふた

そして、Aの部分はその産まれた子が持っている素質なり性格なり能力なりです。これがイメージで言うとたくさんの箱があって、その箱のふたが開いている状態です。育てる親も沢山の箱を持っています。でも、それまで育てられた環境なりで閉まっているふたがたくさん(いくつか)あります。そのしまったふたがある状態で子供を育てます。自分のふたが開いている閉まっているというのは気づかないのでそれが普通の状態だと思っています。自分の箱でふたがしまっている部分が、自分の子供の箱のふたは開いているとする。そうすると、親はそのふたを閉めたくなるんだそうです。そうすると、開いているところを非難したりする。子供の方は家庭の中で生きていくためにはそのふたを閉めないと生きていかれないので、ふたを閉めてしまいます。

閉まってしまったふたの部分はもう使えません。感情にしろ能力にしろ使えないんですね。そうして残ったまだ開いている箱をどうにか使って大きくなっていきます。持ってるけどふたを閉めてしまってわざわざ使わずに残ったものだけでやりくりしなくてはいけないとしたら、それはかなりしんどそうですよね。

たぶん、どの人にも閉められてしまったふたはあるんだと思います。ただそのふたの数の多寡であとあと精神的なトラブルを患ったりするかどうかと言うことになるんでしょうね。

Aをなるべく減らさずに育てたら

この図を教えてくれた方の子供さんはなるべくAを減らさないようにして育ててみたモデルケースみたいな感じなんだそうです。そうすると、ほとんど葛藤がない、焦りがない、誰かと争おうという事がないそうです。要するに自分が自分でいることを非常に肯定できている状態なんでしょうね。私は思いましたが、もし世の中の子供がみんなこういう方法で育てられたらきっとかなり変わるんだろうなと思いました。たぶん、この世の中で話題になっている多くの事が議論される必要なしとして消滅してしまうかな、と思うんですね。たとえば負け犬だとか、勝ち組だとか、誰それより年収がいい悪い、だとか、容姿のコンプレックスとか。そういう議論は一切不必要ですね。他人と比較する事自体が無意味ですから。

この説明は非常に私には良かった。
まあ、子供に問題が起きる場合はなんていうか多くの本には育つ家庭での受容と共感がなかったとかそういう説明も多いけど、そういう単純な話ではないというか、Aを尊重せずに育てると言うのが結果的に受容と共感のない育て方だったとか、まあそういう事なんだろうなと思いました。

今の世の中でまあ働き盛り(20代~40代)の人たちの親の世代と言うのは戦後生まれて高度経済成長の時代に生きてきて、同じ考え方が社会を覆っていたと思います。たとえば、良い学校に入って良い大学に入って良い会社に入ることが幸せにつながるということを信じて頑張り、実際だいたいはその通りだったのだと思います。お父さんは外で働きお母さんは専業主婦で家庭を守る、この役割分担で比較的うまくまわってきたのでしょう。しかし、時代は変わってしまった。社会も変わってしまった。自分達が成長してきた時と同じ考えで子供を育てても、それが時代の流れとマッチしなくなってしまったのでしょう。

これを信じて子供を育ててAの部分が失われてしまった子供がたくさん育った。その子供たちが少しずつ親の世代になってきているんですね。この表を教えて下さった方と話していましたが、最近変な事件、例えば親を子が殺す、子が親を殺す、そして小学生にうつ病が流行っている、ニート、ひきこもり、、、これからはこういう現象がどんどん増えていくのは目に見えているって言っていました。ただでさえ子供の数が減っているのに、その子供も無事に育つ子が減っていくとしたら、それは本当に厳しい現実なのだと思います。ま、でも、私は子育ての現場にいるわけじゃないので「いや、そんなことないよ。みんなすくすく育っているよ」とか「この文章は煽り過ぎだ」という方もいらっしゃるんだろうと思います。所詮子供もいない人間が書いていることなので、その辺の説得力はないかもしれませんが。

とにかく、本当は自分が自分でいられることができれば、どんな状況でもその時々で判断をしてきっと自分の納得のいく幸せな人生を送れるんだろうと思います。だけど、そこで、最近は早期教育しないと将来が心配とか、せめてこのくらいのレベルの学校に入れないと、、、とか大人になっても30歳でこのくらい年収がないと負け組かも、とかとにかく自分が自分でいられなくなりそうな情報が溢れかえっているので、その辺はかなり意識しないと難しいかもしれないですね。まあ、失われてしまった部分はもう無意識の底に沈んでしまって意識しろって言われても難しいかもしれないですけど。

ということで、週刊!木村剛の中のエントリでお父さんが愛娘に英語の早期教育した方がいいんじゃないか、という話が出てきますが、この愛娘さんがどんな素質かを余り考慮しないで、単に自分が英語で困ったから娘が困らないようにというのだとちょっと危険かなと思ったりします。たぶん、英語じゃないほかのところもこの思考パターンで教育を施してそうなので。でも、英語を知ることで世界が広がるから、とか日本人以外の人が考えていることや気持ちが分かる子になるように、とかそんな感じならきっといいのかな、と思いました。

この記事は
「2005.04.04
[フィナンシャル ジャパン] FJ2月号> 私の「幼児英語教育」事始め」

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