公的年金タスクフォース

【公的年金TF】金銭感覚とお金の桁の話

とりあえず感覚がおかしくなります

公的年金タスクフォースに参加して、年金の話をよくするようになって、厚労省のなんとかっていう資料を見たり、年金の本を読んだりしていると、基礎年金の財源がどうたらで何兆円とか、財政投融資のどうのこうのが何十兆円とか、とにかく、自分が普段生活しているときに使うお金の単位と何か全く違う世界なのであります。

とりあえず、単位は兆です。既に億でもありません。兆じゃないと話始まんないってくらいの雰囲気であります。

そうすると、だんだん感覚がおかしくなってきます。たとえば、どこそこの会社が負債を出して倒産した。負債金額が例えば50億、とかって言うと「なーんだ、たいした金額じゃないじゃん」などというわけのわからない感想を抱き始めるのです。(実際の自分の所得はすっかりどこかへ行っているらしい。)

だから、週刊誌とかワイドショーとかがはやし立てる「年金官僚が何々を浪費して5億がパー」とかっていう記事を見かけても「たった5億か・・・」とかって思ったりしちゃう可能性もあるわけです。

これはちょっといただけない。

なんかとにかく実感がわかないというかやはり日常使っているお金とは違う物質というか違う概念のような気がしてしまうんですね。どう受け止めたらいいんだろうなあ、と思っていたら、ある人が「1億ン千万人にとってどのように遣われるか」っていう視点で見るといいかもって言ってくれて、「なるほど!」と思ったんですね。(ありがとうMcDMasterさん!)

例えば、基礎年金という国民年金の人も厚生年金の人ももらえる年金があって、その財源の1/3は国庫負担となっています。で、これを1/2にするとかどうとかって言うことでもめていたんですね。そうか、国庫負担だから負担してくれるんだ、って思いがちですが、国庫のお金って要するにどこから来てるかといえば国民の税金なんですね。消費税やら所得税やらです。要するに結局自分たちが払っているってことなんですが。

で、2000年度の基礎年金に対する国庫負担は5兆円だそうです。(年金大改革 西沢和彦著より)
じゃあ、これをとりあえず人口約1億2000万で割ってみたらいくらなんでしょう?

5,000,000,000,000÷120,000,000≒41666円

でした。(この計算合ってるかな・・計算苦手なので不安。やばかったら誰か指摘してください(汗))

ほーー、4万円ちょっとなんだー。となってやっとなんとなく実感できるような感じがしてきました。

ということで、これから年金の話(その他、国の話)で、金額が出てきたらとりあえず1億2000万で割った数も併せて書いていこうと思います。そうすると、ちょっとはピンとくるかなーと思います。

官僚や政治家のみなさんはこの辺の感覚はクリアして話してるんでしょうか。その辺もちょっと興味がありますね。

トルコとかイタリアとかに旅行した気分で考える?

とりあえず、なんでも1200000000とか2305000000とかって世界です。あれ?これってどこかで見たことあるぞ。そうだ、トルコとかイタリアに旅行したときの気分です。向こうはなんかインフレのせいだかなんだかですごいゼロだったんです。イタリア・リラもトルコ・リラも。ああ、今ではユーロになってしまいましたが。

そうすると、1円がいくら、とか1ドルかいくら、とか10000リラがいくら、とかっていうのを把握して買い物に臨むわけですよ。それをやればいいんだね。

それで、目安としては一人当たりの負担が1万円っていうのが1兆2000万円なんだな、いうのをとりあえず考えてみました。1兆2000万円は1万円。10兆円は8300円くらい。2兆4000万円は2万円と国家予算:国民一人当たりのお金に両替して考えればいいんだーと思いました。

【公的年金TF】厚生年金・国民年金数理レポート メモ書き

時間もないので、無謀ですがいきなり「厚生年金・国民年金数理レポート」に挑戦。年金用語集を追記しながら読んでいく予定です。やはり、私は無意識的に表が出てくると既に脳が拒否してしまいます。かなり前途多難です・・・。とりあえず、わからないながらも目を通そうと思います。


適正化
P51:厚生年金(報酬比例部分)の将来の年金額を5%を適正化するというのは、正確にいえば、厚生年金の算定式における給付乗率を経過的な世代に対する乗率も含めてすべて5%適正化することを意味する。
#やはり全然意味がわかりません。。。基礎的な本を先読んだほうがいいかも、、

P77:厚生年金本体と厚生年金基金の代行部分の財政の関係について
#なになに?これは、なにやらややこしそう。あまり根幹に関係ない枝葉のことなのかそうでないのかまだ不明。。。
しかも
「当面は賦課保険料よりも高い保険料が課されることになるが、将来は賦課保険料でも低い保険料で済むことになる」などという、ちょっといい響きの文章が。

P234:厚生年金の廃止・民営化
なんていう事が「平成9(1997)年12月に厚生省が提示した「5つの選択肢」において、E案として厚生年金の廃止・民営化が挙げられ、その中で二重負担の問題についての説明が行われている。」とのこと。

#思い切った案ですね。そんなことが既に提案されていたのですね。

二重負担について:厚生年金(2階部分)の廃止・民営化といったように段階保険料方式を積立方式に移行する際、移行後のある期間、そのときの現役世代が、自らの企業年金や個人年金に対して積立方式としての掛金を支払うことに加えて、別途何らかの形で、そのときの受給世代等の年金給付のための費用負担をも行わなければならなくなるといった類の問題である。


【わからないことば】
P61:ポートフォリオ理論
P61:有効フロンティア

【気に入った言葉】(←全然年金のことと関係ない趣味に走ったコーナー)

P210:有開閉区間--でも、有開・閉区間だったらかなりインスピレーションを刺激されるのですが、たぶん有・開閉・区間なのですね。でも、いい感じです。

P219:位相曲線--どんな曲線だろうと楽しみにしましたが、割と普通の曲線でした。

【感想】
全部読み終わってませんが。とりあえず。いろいろ考えて作るものなんだなー(そりゃそうなんでしょうが)ということに素朴に感動。これに専門家はバンバン突っ込みを入れるのですね。

全部とりあえず見ました(注:読みました、じゃない)。なんとなく雰囲気はわかりました。今日はそれでなくても眠くてあまり頭に入りませんでした。また続けてすこしずつ細かく読んでみようと思います。

【公的年金TF】木村ゼミは大変だ!(笑)

昨日もまたミーティングがありました。
今回は、高山教授の説明の後、今後どうしていくかというのと、23日の厚労省とのミーティングに向けてどのような準備をするか、などを話し合いました。

今回は、前回の高山教授と西沢さんの著書を読んできて、その話を前提に話をするということで、かなり準備にひいひいだったのですが、今回は例の「厚生年金・国民年金 数理レポート」が厳かに配られました。。ページ数にして380ページくらいあるずっしりしたものです。で、今回の木村ゼミ(?)の課題はとりあえずこれを一生懸命勉強してくること、でした。。。

それでですね、、、ミーティングが始まる前、他のメンバーから「ブログ見たよー、クロヨンってHiroetteさんくらいの年齢だと知らないんだねえ。(でも同じ歳で知っている人いたけど)」とか「不作為の罪っていうのは、法律関係でよく使う表現なんだよ。」とか、いろいろ教えてもらいました。みなさん、私のあんなメモ書きのようなページでも見て下さってるんですねえ。
クロヨンっていうのはなんか常識っぽいですよ。私は知らない言葉「クロヨン」なんて言ってもしかして馬鹿さらしてました???(汗)。

確かに、このタスクフォースって当初はITとか解析技術を持っている人を募り、そういうスキルがなくても雑用でもいいから参加してみたい、っていうので参加したんですけど、どうもメンバーはやっぱりIT系とかまあ、それなりに知識があるんですよ。私も全くないわけではないですが、プログラマーとかSEとかではありませんのでミーティングの中でも、年金の話についていくだけでなく、
要件定義?
フローチャート?
バランスシート?
と、年金以外のことについてもかなり「???」なのです。
バランスシートも少しずつ勉強中です。

それで、結局Hiroetteさんでもわかるようなものが作れれば、万々歳じゃないの?みたいな話になりました。ええ、私はこのタスクフォースのベンチマークになってやりますとも!

だから、年金だけじゃなくて、他のいろいろなことについても基礎的知識がないので、かなり冷や汗です。いろいろな人がおかげさまで、参考図書を教えてくださいました。ちょっと少しずつそういうのもあわせて読んでいけたらいいな、と思います。ほんと、私はキムタケさんの考えが好きになってこんなことにならなければ、経済、金融系のボキャブラリーとは一切無縁に生きてきたはずなので、こんな大変なことになってます。でも、これって普通の国民の割と平均像なのでは?って思うんですよね。
中には今の日本の首相が誰か知らない人だっていますから。ということで、そんな私がベンチマークというこの公的年金タスクフォースであります。

みなさんが教えてくださった参考図書

●ハーデスさんより
 少し前の本ですが、(株)社会保険研究所が発行している「平成11年版年金白書(21世紀の年金を「構築」する)」という本はよくまとまっていて、読みやすい本としてお勧めです。

 要は、前回の改正時の結果の本(ベースは年金局作成の案)なのですが、用語集や索引もしっかりしているし、歴史やデータも結構出ていたりして。
 とかく「白書」は読みにくく、取っつきづらいのですが(爆)、これは年金局が一般の方向けに苦心した跡が見られる秀作だと思います。

 ちなみにこの年金改正論議の当時(平成9年)に年金局が挙げた5つの選択肢に「厚生年金の廃止」が挙がっているというのは見逃せません。
 また税方式化についてもしっかり記述してあって、「十分な国民的議論と合意形成が必要です」で締めくくられています。

●珠丸さんより
確か経済書の中で息の長いベストセラーとかになってたと思います。とってもロリータでキッチュな本です♪(?)

・「カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 (日本経済編)」細野 真宏
・「カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 (世界経済編)」細野 真宏
・「カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 (銀行・郵貯・生命保険編)」細野 真宏
・「細野真宏の株・投資信託・外貨預金がわかる 基礎の基礎講座」細野 真宏


かなり(*´Д`)ハァハァです。
私の考える頭のいい人ってのは、分かりにくいことを分かりやすく教えられる人のことなので、このカリスマ細野先生は天才だと思いました。カッコイイし。(*´Д`)ハァハァっていうか、ずっとニヤニヤしながら読んでました。

世界経済編なんて、下手なドラマなんかより面白かったです。
これよんで海外投資をはじめたといっても過言ではないかも
知れません。

オススメは1,2,3冊目までですかね。
3冊目に財政投融資の話しも出てきてます。
この人にゼヒ(年金編)を書いていただきたいと思います。

●McdMasterさんより
竹森俊平『世界経済の謎―経済学のおもしろさを学ぶ』(東洋経済新報社)
これはいいっす。

みなさま、いろいろ本当にありがとうございます。
ちょっとしばらく「厚生年金・国民年金 数理レポート」と格闘してみようと思います。自分でもなんでここまでやろうとするのか、わかりませんが、、、。とにかく、木村ゼミでついていくために頑張るぜーー!って感じです。

かなりへなちょこですが、頑張って行こうと思います。

【関連記事】
2004年07月20日(火) 年金用語集
http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/hiroette/822

2004年07月19日(月) 【公的年金TF】信頼と安心の年金改革 by高山憲之 メモ書き
http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/hiroette/820

2004年07月19日(月) 【公的年金TF】二冊+αの課題図書
http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/hiroette/819

【公的年金TF】年金用語集 「ア」~「チ」

年金用語集 「ツ」~

ここでは、私が年金の本を読んでいくうちに知らない単語に出くわしたのを、一つ一つ調べていったもののメモ書きです。ど素人が書いておりますので。間違いがありましたらご指摘ください。

【ア】

・相対取引(あいたいとりひき)←→市場取引(しじょうとりひき)

【エ】

・益税(消費税の)(えきぜい(しょうひぜいの))

「消費者が払った消費税のうち,納税されず合法的に免税事業者の利益として手もとに残ること。また,納付までの運用利益が生ずること(簡易課税制度の不備により納税されずに事業者の手に残る分)。=みなし仕入れ率が実際の仕入れ率を上回る場合、益税が生じる。」こちらより参照

「消費税の益税とは、消費者が負担した消費税の一部が国庫に納入されず、事業者の手元に残ってしまうことで、年間売上高3000万円以下の事業者について納税が免除と、年間売上高2億円以下の事業者を対象に簡易課税制度が設けられていることが主因である。特に、年間売上高3000万円以下の免税制度は、税導入以来一度も見直されていないので、免税事業者は全事業者の6割強の368万と言われ、これらの一事業者当たり平均売上高を1500万円(第2種小売業・簡易課税制度適用の場合)と仮定すると、5520億円もの消費税が免税事業者の手元に残ってしまうことになる。」こちらより参照

【カ】

・株価維持策(PKO)

【キ】・既裁定年金(きさいていねんきん)

すでに年金を受給している人の年金給付

・基礎年金給付費(きそねんきんきゅうふひ)

・基礎年金拠出金(きそねんきんきょしゅつきん)

年金のいわゆる一階建て部分の基礎年金給付には2000年度で14.2兆円でした。そのうち特別国庫負担を除いた13.7兆円は、国民年金、厚生年金、共済年金の各制度からの拠出金でまかなわれます。このお金のことを基礎年金拠出金と言います。

・基礎年金交付金(きそねんきんこうふきん)

・逆進性(ぎゃくしんせい)←→累進性(るいしんせい)

税金で貧乏な人ほど相対的に負担が大きく、金持ちほど負担が小さいこと。代表的な税としては消費税。累進性はその逆。

・給付乗率(きゅうふじょうりつ)

・給付倍率(きゅうふばいりつ)


・給付建て方式(きゅうふだてほうしき)=確定給付型(かくていきゅうふがた)

保険料の支払い(拠出)が固定されている方式。

・拠出建て方式(きょしゅつだてほうしき)=確定拠出型(かくていきょしゅつがた)

年金給付が固定されている方式。

【ク】

・クロールバック制度(くろーばっくせいど・claw-back)

高額所得者に対しては2階建ての年金給付のうち定額給付部分を減額する制度

【コ】

・合計特殊出生率(ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ)

その年の出生率で1人の女性が今度子どもを生んだとした場合に、一生の間に生むこととなる子供の数
#次の世代ってことでしょうか。2004年に生まれた女性が産むかもしれない子供の数ってことですよね。

・公租公課(こうそこうか)

国や公共団体によって賦課される公の負担の総称。租税を公租、それ以外の公の金銭負担を公課と分類するのが一般的。たとえば所得税、住民税、社会保険料などのことをいう。

【サ】

在職老齢年金制度(ざいしょくろうれいねんきんせいど)

年金支給開始年齢に達しながらも正社員として企業に勤務し、厚生年金の被保険者である場合、賃金と年金額に応じて年金額の一部か全部が支給停止となる。その中で減額されつつも支給される年金のこと。

・財政再計算(ざいせいさいけいさん)

5年に一度行われる本格的な将来予測。
実施されたのは直近で平成11年。


・財政融資資金特別会計(ざいせいゆうししきんとくべつかいけい)

#この特別会計とかってよく見かける言葉なんですけど、全然よくわからないんですよねー。

・財政投融資(ざいせいとうゆうし)

#これもよく聞くけどいまいちよくわからないものの一つです。  

関連記事:

年金の積立金と財政投融資について [2004年08月13日(金) ]
http://blog.drecom.jp/hiroette/archive/852

【シ】


・市場取引(しじょうとりひき)←→相対取引(そうたいとりひき)

・社会保障審議会(しゃかいほしょしんぎかい)

公的年金について改善を話し合うところ

・修正積立方式(しゅうせいつみたてほうしき)

政府という運用主体に資金を集め、資金配分の意思決定をゆだねるということである。[年金大改革 西沢和彦著 P121]


・新規裁定者(しんきさいていしゃ)

新たに年金を受け始める人のこと

【ソ】

・総脱退力(そうだったいりょく)

各年齢において被保険者が制度から脱退する確率のことであり、一年間一様に脱退者が発生するものとして、過去3年間平均で捉えた年度内脱退者数を年度平均被保険者数で割ることにより算定している。
[厚生年金・国民年金 数理レポートより]
#このなんとか脱退力っていう言葉がナンバリング作業に参加して初めて文書を見て、この言葉を知って、なんかそのセンスに衝撃を受けました。率じゃなくて力を使うところが、いかにも人が異なる属性の間を行ったり来たりしている雰囲気が表現されているような気がして、秀逸な用語だと思いました。(例:生きてる→死ぬ、厚生年金→国民年金、2号→3号などの人の動き) ええ、言語執着系なのでその辺の表現を味わってみました。

死亡脱退力とか生存脱退力とか、そのほかのバリエーションもなかなか迫力のある単語との組み合わせになっていて、初めてこの言葉を見たときは意味も全然わからなかったし、かなり衝撃的でした。こんなこわーい言葉を使って年金計算してるのかー、ってその時は思いました。 関連記事  ○○脱退力!? [2004年07月23日(金) ]  http://blog.drecom.jp/hiroette/archive/826

・総報酬(そうほうしゅう)

標準報酬の項 参照

・租税(そぜい)

「国及び地方公共団体が,公共サービスを提供するための資金を得る目的で,特別の給付に対する反対給付なしに法律の定めに基づいて国民から徴収するもので,課税の主体によって国税と地方税に分けられる。租税の分類として最もよく用いられるのは,直接税と間接税の区分である。直接税は,所得税や法人税のように納税者と税負担者が同一の租税であり,間接税は,酒税や消費税のように納税者と税負担者が別々の租税である。また,一般的な財源にあてるための普通税と地方道路税,都市計画税,軽油引取税など特定の財源にあてるための目的税の区分がある。」こちらより引用

【ダ】

・第一号被保険者(だいいちごうひほけんしゃ)

第二号、第三号のいずれにも当てはまらない自営業者や学生など。
老後には基礎年金(国民年金部分)を受け取る。

・第二号被保険者(だいにごうひほけんしゃ)

厚生年金に加入する会社員、共済年金に加入する公務員のこと。
老後は厚生年金と併せて基礎年金(国民年金部分)も受け取れる。

・第三号被保険者(だいさんごうひほけんしゃ)

第二号被保険者に扶養されている年収130万円未満の人。現状では専業主婦が多い。扶養されているので保険料は免除されているが老後は基礎年金(国民年金)が受け取れる。

・段階保険料方式(だんかいほけんりょうほうしき)

賦課方式と積立方式の両方を併せ持ったような方式。
#だから、日本は賦課方式だけど、積立金があって運用大丈夫なの?もうないんじゃないの?ってことなんでしょうかね。

【チ】

・賃金カーブ
1人の人の賃金が生涯でどのように上がっていくかを、横軸に年齢、縦軸に賃金水準をとってグラフにしたもの。

・賃金スライド(ちんぎんすらいど)

【関連記事】

年金用語集 「ツ」~




【公的年金TF】信頼と安心の年金改革 by高山憲之 メモ書き

安心と信頼の年金改革」を読んで自分なりに気づいた点をメモします。

●年金の債務超過分は隠れ国債

P8:"隠れ国債"ともいうべき600兆円弱の年金債務超過額は同時点の国債発行残高330兆円よりはるかに大きい。


●1998年度以降、社会保険料負担は国税を上回っている

P9:公的年金の保険料をふくむ社会保険料負担は従来、国税総額より少なかった。しかし1998年度以降、(中略)両者は逆転してしまった。(中略)国民負担という点から見ると、税金だけに着目するだけではもはや不十分である。税金だけでなく社会保険料についても今後どうするかを「負担の構造改革」の柱として議論する必要がある。

●今回の制度改正で変わった点

P34:年金個人情報の定期的通知
加入者が受給する年金額はこれまで受給開始年齢に近くなるまで本人にはわからなかった。55歳以上になり年金手帳を持参しながら社会保険事務所に相談に行くと、受給する年金の見込額を教えてくれる。

●グリーンピア廃止
P36:また、積立金の管理運用面では、相当期間を改廃して組織の規模や機能を縮小する一方、大規模年金保養地(グリーンピア事業)や年金住宅融資を2005年度までに廃止する

#悪名高いグリーンピアは廃止になるんですね。

●今回の改正の特徴
P41:日本経済の基礎体力とそのときどきの好不況にあわせながら年金負担額を調整していくという柔軟な発想はまったくない。年金財政のつじつまあわせだけが最優先事項であり、日本経済がどうなろうとかまわないといいたげである。

P55:過去、長期間にわたって右肩上がりの経済に対する信仰が日本人を支配しており、その信仰が負担の先送りをゆるしてきたのである。

#だから国民全体がなんとなくそれでいいかー、っていう気分だったって事ですね。

●雇用へのペナルティ

P47:年金保険料は賃金を支払ったり受けとったりすると負担が発生する。(中略)人を多く雇い多額の賃金を支払う企業ほどペナルティが大きい。雇用へのペナルティという性格を有する年金保険料をさらに引き上げると、いわゆるリストラはいっそうすすみ、失業率もさらに上昇する。(中略)なお年金保険料の負担は逆進的でもある。

P63:スウェーデンやドイツでは人口要因が変化した場合、自動安定装置を導入し給付水準を将来に渡って無限に調整しつづけることをすでに決めたり検討したりしている。

#これだとコンセプト的に柔軟性の全くない今回の厚労省の改革案と逆の思考ですね。

P71:所得の多寡を無視して定額の年金給付を維持しようとしている国は日本やニュージーランドなど、きわめて少数となっている。

#とりあえず、日本の年金政策は世界の年金政策のトレンドからは離れているわけですね。

P95:過去拠出に関わる債務超過分はいわば”第二の国債”であると考えることもできる。国債発行残高をゼロにする必要はかならずしもない。ちなみにヨーロッパが経済統合するさいに採択したマーストリヒト条約によると、政府債務残高をGDPの60パーセント以下に抑えるとしている。

P100:世界銀行も1999年以降、それまでの主張(年金民営化や積立方式への切りかえ)とはちがって、新しいスウェーデン方式を推奨し始めている。

#スウェーデンの年金方式が最近世界で注目されているらしいです。
世界銀行もお墨付き?

P139:フランスの年金制度
フランスの年金制度はスウェーデンのそれとは異なり、職域ごとに細かく分立している。2003年時点において538の年金制度があり、それぞれ給付の算定方法や保険料率が違う。それにもかかわらず年金一元化を求める声は少ない。制度間で財源をやりとりしながら制度全体を維持している。

#そうそう、それはなんかそういう印象だった。しかし538もあるとは知らなかった。これはこれで極端だ。ドイツの年金制度も取り上げられてたけど、どっちかというとフランスの方が自分は親しみがあるので熱心に読んでしまったりしてね。

P139:もう一つ特記すべき事がフランスの年金制度にはある。それは基準となる受給開始年齢が60歳となっていることにほかならない。投書受給開始年齢は65歳であった。それを60歳に引き下げると公約して大統領選挙に立候補したミッテランが当選した結果、受給開始年齢は1982年から60歳に変わったのである。フランスで受給開始年齢の引き上げを議論することは、今でもタブーの感が強い。

#っていうかねー、なんか60歳過ぎて働いている人ってかわいそうな人って思われる社会背景があるんですよね。えー、60歳過ぎてるのにまだ老後のために働かなきゃいけないの?あなたって哀れねー。という雰囲気がある。
日本だと自営業だとその仕事が好きなら、元気で働けるうちは働きたい、なんて言う人がいますが、そういうのは余りないかも知れません。60歳になったらコルシカ島に買った別荘(向こうは死ぬほどお金持ちじゃなくても結構誰でも持ってる。)でのんびり暮らすぞー!とかそういう感じ。

ああ、趣味に走ったコメントを書いてしまいました。

P190:バランスシートを無視した厚生労働省

P191:バランスシートの切れ味
バランスシートの歴史は古い。14世紀イタリアのジェノバで開発された財務諸表であると伝えられている。それ以来、財務や財政に関わる状況は損益計算書(フロー面)およびバランスシート(ストック面)の二つで把握され、評価されてきた。バランスシートを無視してものごとを決めるということは、もともとないのである。
 とくに日本ではバブル崩壊以降、バランスシートの切れ味に凄みが増した。(中略)さらに日本の金融帰還問題もバランスシートによって明確に示された。(中略)道路公団問題もバランスシートをめぐって紛糾した。(中略)ただ、そこで問題となった債務超過額は6200億円ほどにすぎない。600円弱という公的年金の債務超過額(過去分のみ)の方が桁ちがいに大きいのである。公的年金における巨額の債務超過をなぜ問題視しないのか。道路公団であれだけの騒ぎとなったことを考えると、不思議でならないのである。
(中略)
日本でも大蔵省(現財務省)が国のバランスシートを1999年3月末時点のものから毎年作成するようになった。


気づいた用語

P46:【雇用者へのペナルティ】
P55:【不作為の罪】

ちょっとわかりにくい用語

P60:【既裁定年金】
P84:【クロヨン問題】
P103: 【賦課方式】

【感想】

話の随所に「バランスシート」がたくさん出てくるんです。
で、私、この間「バランスシート」ってなに?っていうのをなんとなく知ったばっかりなので、はっきり言ってこの本をもっと正確に理解するにはバランスシートがもっとわかってないと、だめって事なんです。
ちょっとピンチです。要するに出るお金と入ってくるお金の収支を0にするって事なんでしょうけど。

ともあれ、この本のキーワードは「バランスシート」であることは確かです。

それから、年金問題を世界銀行を中心とした、世界全体でどう語られているかっていう話が出てきて、スケールが大きい。世界銀行の見方はもっとマクロだから。ここの発展途上国を助けてあげるにはどうしたらいいか、そんなお金のない国が年金をするにはどうしたらいいかっていうようなすごい視野が広いから。未納問題なんかの報道で毎日過ごしている身としてはかなり新鮮な感じです。

読んでいるうちに、なんかちょっと世界銀行っていけてる?って風に見えて来ちゃうのですが。当然厚労省の専門家の方々もこういう情報はもちろん逐一入手&チェックしているだろうし、その辺はどう思ってるんだろうなあ、ってところには興味がありますね。

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